2012年11月14日水曜日

奈良井宿 そぞろ歩き



奈良井宿の歴史的街並



木曽はおおよそ香川県と同じくらいの広さがあり、そのうち93%ほどが森林でしめられている自然豊かな地域です。
そして江戸時代の五街道のひとつである中山道沿いに発達した、貴重な文化遺産が多く残っている地域でもあります。
中山道は東海道と同様に江戸と京都を結ぶ街道として古くは " 木曽路 " とも呼ばれ、67箇所の宿場町がありました。そしてそのうちの11宿が現在の木曽に位置しています。

" ギャラリーいさら " での個展と、" 工藝 藍學舎 " にて開催の「第10回北杜工藝展」が無事に終了し、ほっと一息。
とはいえすぐ来週には次の作品展がひかえているので遠出はやめて、近場の奈良井宿に散策に行ってきました。

奈良井宿は木曽路11宿の江戸側から2番目。11宿の中では最も標高が高いところに位置しています。
当時の奈良井宿多くの旅人で栄え、その繁盛ぶりは「奈良井千軒」ともいわれた賑やかな宿場町でした。
国の重要伝統的建造物群保存地区として当時の町並みが保存されており、NHK朝の連続テレビ小説「おひさま」の舞台にもなったところです。




気持ちの良いひんやりとした風を感じながら歩いていると、いたるところに素敵な秋がひっそりと息づいていました。






途中、観光案内所へ。こちらも何とも言えない風情がありますね。
小さな入り口の戸をおそるおそる開けてちょっとのぞいてみると・・・誰もいません。
スローな時間が流れています。



奈良井宿の観光案内所



そして、江戸時代に塗櫛問屋として栄えた中村屋さんの建物 " 中村邸 " へ。
NHK朝の連続ドラマ「おひさま」では、飴屋さんとして登場していました。






中村邸は180年ほど前に建てられた、国の選定重要伝統的建造物群のなかの代表的な民家で、現在は一般公開されています。
実はこの建物の外観にも、当時の工匠たちのすぐれた技とその造形美をみつけることができるんですね。

この建物を見てまず目につくのは、京都の町家風の格子と、独特な形態をした鎧庇(よろいひさし)です。
板を重ねて波形に反らせたこの鎧庇は、全国的にみてもここ奈良井宿だけのものです。
広い板が横にいくつか並べてあり、その上に並んでいる板をおさえる桟木を猿頭といい、百数十年もの風雪に耐えてそこにいる何匹もの猿が、なんだか今にも飛び出してきそうです。
さらにその鎧庇をつるす金具の曲線の美しさにも、江戸の工匠たちの技と美を見ることができ圧倒されます。

ただしその構造は、盗賊が忍びこもうと上れば庇もろとも下に落ちる仕掛けになっているそうで、うっかりベランダに出る感覚で外に出るとたいへんなことになるのでご注意を。(だれも出る人はいないと思いますが・・・。)
当時の人々の生活の知恵、そしてそれが具現化された用と美に魅了された奈良井宿そぞろ歩きでした。





車でほんの数分の隣町とはいえ、いつでも行けると思うとなかなか出かける機会のなかった奈良井宿ですが、ゆったり歩いてみるといろいろな発見がありました。

ほんの数日前に綺麗な紅葉を眺めながらほっと一息ついたところですが、今日はこの地域には初雪が降り、突然冬がやってきました。

寒さの厳しい地域ですが、スキーが大好きなわたしにとってはシーズン到来!といった感じです。


うちの窓から見た初雪。