2015年10月27日火曜日

漆の未来を見てほしいⅡ 日本漆山脈 * 阪急うめだギャラリー * 10/28(水) ~ 11/1(日)





今日ではあまり知られていないかもしれませんが
青森から沖縄まで、全国には30ほどもの
漆器の産地があります。

それぞれの産地における漆器産業の発達には
歴史的、文化的に固有の背景がありました。

進が生まれ育ったこの木曾平沢という町は、
漆器産業を生業とする人々が集住する
全国でも珍しい地域です。

江戸時代の出梁造の建造物に加えて
大正時代から戦前にかけての建物、
また戦後の建物など各時代の特徴的な建物が
現存するその伝統的な町並みは、
漆工という伝統工芸の職人町としては
日本で唯一、
「国の重要伝統的建造物群保存地区」
に選定されています。

木曽ヒノキをはじめとする豊かな森林資源、
漆器に適した湿潤な気候、
中山道の街道文化などを背景に
産業として発展した木曾漆器は
江戸時代以前にはすでに産地として
成立していました。

そして明治初期に地区内で
「錆土」という下地材が発見され
堅牢な本堅地漆器の制作が
可能となったことによって、
日本有数の漆器産地としての地位を
確立するに至りました。

「木曽春慶、木曽堆朱、塗分呂色塗」の3技法は
我が国の「伝統的工芸品」として指定されていますが、
木曽平沢で漆と木工の仕事をしていた進の祖父は
この木曽堆朱の開発に深く関わりました。

産地の人々のこのような
たゆまぬ努力によって発展し、
大切に継承されてきた
日本の伝統文化である漆芸は、
それぞれの作り手の自由な解釈と発想のもと、
さまざまなかたちで
未来へと広がっています。

今回の展示は、地域も年齢もさまざまな
北海道から沖縄までの
50名を超える作り手たちが一堂に集い、
その作品を展示する貴重な機会でもあります。

会期中、北原進は終日在廊しております。

ぜひ会場に足をお運びいただき
皆様それぞれに “ 漆の未来 ” を
感じていただけましたなら幸いです。



"  漆の未来を見てほしいⅡ 日本漆山脈
全国の作り手の毎日使いたい漆の器
9階 阪急うめだギャラリー  
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