2014年4月20日日曜日

北原進の飯椀 〜 新ごぼうの季節です 〜





春の遅いこの地域でも、コブシに梅、そして桜の花が
ほころび始め、ようやく春らしい景色となりました。

長くて厳しい木曽の冬ですが、
春になり山が日に日に鮮やかに色づいてゆく様子は
まるで世界が一斉に命を吹き返すようで
春を迎える喜びもひとしおです。

先日、お店の地場野菜コーナーに並んだ、穫れたての春野菜の中に
いかにもおいしそうな、新ごぼうを見つけました。

薬草として大陸から伝来したごぼうには、豊富な食物繊維が含まれ
カリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラルも豊富で、
さらには血糖値を改善する働きもあるそう。

さっそく買って帰って、この時期ならではの
“新ごぼうの牛しぐれご飯を作りました。

炒めた新ごぼうと牛肉に生姜と水を加えてアクを抜き、
砂糖とみりん、しょうゆで味をつけて煮詰めるだけ。
それを炊きたてのご飯に混ぜれば、
柔らかくて上品なごぼうの良い香りのする
“新ごぼうの牛しぐれご飯の出来上がりです。

この丸みをおびた、ぽってりとしたフォルムの飯椀は
北原進の手によるもので、口当たりもちょうど良く
手のひらにとてもよくなじみます。

そしてこのお椀に添えられたお箸は、父である北原久が
わたしたち息子夫婦のために作ってくれたもので、
なんとも愛らしく、ほっこりとした民芸のぬくもりが感じられます。

大切な人と過ごす何気ない日常にこそ映える
気負わず、使いやすく、そして美しい器たち。

四季を感じる美味しさを、豊かに味わいながら暮らすこと。。。
それは一見当たり前のようで、
実はかけがえのないものなのかもしれませんね。