2013年12月31日火曜日

2013年の終わりに


                                    2013年12月 斑尾高原にて


2013年の北原漆工房は、まるで駆け足であっという間に駆け抜けたような印象の
たいへん忙しくも充実した一年でした。

展覧会々場に足をお運びくださいました皆様、また様々なかたちでお世話になりました
皆様には心より感謝申し上げます。

毎年新しい気づきや発見がありますが、今年もまた目に見えない引き出しが増えたような、
そんな気がしています。

そしてそれを来年の活動に生かして、心新たに歩みを進めたいと思っています。

来年の北原漆工房展覧会は、東京銀座での個展から始まります。
今ある温かなご縁に感謝し、まだ見ぬ新しい出会いにも想いを馳せ、
みなさんにお会いできることを心より楽しみにしています。

それでは皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。           北原進



2013年11月9日土曜日

北原 久・進 父子漆芸展 * 広島 福屋八丁堀本店 7階美術画廊 *





東京での展覧会々期中ではありますが、1114()から広島でも福屋八丁堀本店 7階美術画廊にて、北原久・進 父子漆芸展がはじまります。

こちらでのご縁も10年を過ぎ、回を重ねるごとに温かい出会いにも恵まれ、この度は4回目の親子展を開催させていただくはこびとなりました。

わたしたちが作る作品が出会いを生み、温かなご縁を繋いでくれることがものづくりをしていて一番うれしいことです。

これからも素敵なご縁が生まれるものづくりを続けていきたいと思います。

会期は1120()までとなります。

皆様の御高覧をいただければ幸いです。   北原進


 

2013年11月8日金曜日

厨子のこと 〜 東京都美術館 * 第2回都美セレクション展 〜





本日 am9:30より 上野の東京都美術館 ギャラリーB にて
" 第2回都美セレクション展 『想い、巡る。』 " がはじまりました。

今日は今回の展覧会の出展作品でもある、厨子のお話です。

京都金閣寺の修理の仕事のため、漆工職人として京都に長期滞在していた頃、
休みの日にはよく神社仏閣を見てまわっていました。

そのうちに自分にも木と漆でなにかできることはないかと思うようになり、
そこからわたしの厨子づくりがはじまりました。

あれから20年余、試行錯誤を繰り返しながらいろいろな厨子を作ってきましたが、
ふたつとして同じものはありません。

続けることから見えてくるものがあると思うし、もっと言えば、
続けることからしか見えてこないものがあると思うのです。

今日も、そしてこれからも、自分のものづくりに真摯に取り組んでいきたいと思います。

会期中 11月8日(金)、10日(日)には出品作家による楽しいワークショップも開催します。
わたしは 本日 11月8日(金) 午後 15:30-16:15のワークショップを担当しています。

また初日の今日は、午後8時まで開館しています。

芸術の秋・・・ぜひ 東京都美術館に足をお運びください。   北原進


北原久・進 木漆芸展 @ 2013 木曽漆器祭 より

2013年10月15日火曜日

 * 尾高 椿庵 * 10/18 ~ 10/29 *






三重の " 尾高 椿庵 " にて、このたび初めて作品展を開催させていただくことになりました。

今回の作品展では日々の暮らしの器に花器、そして整理小箪笥、丸膳といった小家具や
厨子など、さまざまな作品を展示いたします。

ぜひ御高覧いただければ幸いです。




"  北原久・進 根来 漆作品展
2013年10月18日(金)〜29日(火) 11:00〜17:00 (最終日 16:00) (水・木  休廊日)
尾高 椿庵 〒510-1326 三重県三重郡菰野町杉谷2295-4 map "







2013年9月16日月曜日

〜 近鉄百貨店 奈良 5F * 9月26日~10月2日 〜



朱角厨子




9月26日(木)から10月3日(水)まで、近鉄百貨店 奈良店 にて作品展を開催いたします。
油つぎ花入

近鉄百貨店 奈良店では、昨年に続いて3回目の展示となります。

日々の暮らしの器や花器、そしてジュエリーボックスに整理小箪笥、丸テーブル
といった小家具や厨子にいたるまで、さまざまな作品を展示いたします。

会期中は在廊いたしておりますので、お気軽に声をかけていただければうれしいです。

ぜひ御高覧ください。



" 2013年 9月 26日 (木) 〜 10月2日 (水)
    近 鉄 百 貨 店  奈 良 店  5F  "



2013年8月20日火曜日

漆のしごと場


木工のしごと場 については先日のブログでも紹介しましたので、
今回は " 漆のしごと場 " についてのお話です。




北原漆工房を訪れてくださった方々からは「だだっ広くて、なにもないですね。」とよく驚かれます。

うちの工房は進が生まれた時に塗師である父、北原久 が建てたもので、歴史的にこの地域 (木曽)では座卓など大きな物を作ってきたこともあり、この工房では1階と2階を合わせて40畳あまりをフルに使って漆の仕事をしていました。

その後、進が木工のしごともするようになったのでそのためのスペースも必要になり、今では1階の20畳あまりのスペースで塗りのしごとをしています。

仕事をしやすくするため、人様から「なにもない」といわれるくらいにいつも片付けていますが、作業工程にあわせて必要な道具を用意し、効率的な作業場を作るようにしています。

閉じているとわかりにくいですが、漆を乾かす" (むろ、もろ)"というスペースもあり、その中には茶道具や日々の暮らしの器に花器、そして小箪笥、テーブルとった小家具や厨子など、さまざまな作品がところ狭しと並んでいます。


正面に見える戸の向こうすべてが 漆を乾かす "室"


2013年8月17日土曜日

木工のしごと場


北原進 は 木地づくり(木工) から漆の仕上げまで一貫して自分の手で
行っているため、木地づくりのしごと場と漆工のしごと場を
それぞれ作業しやすいように整えています。

今日は木工のしごと場を少しご紹介します。


 
 さまざまな木工の道具がところ狭しと並んでいます。


 
 木工のしごとは細かい木屑の埃がたくさんでます。作業をしている
 進の横で木屑をかぶっているこのラジカセは、30年以上も前
 のものですがまだまだ現役です。
 ここから流れてくるラジオにひとりツッコミをいれたりしながら、
 しごとをしています。


 
 奥に立てかけてあるのは木地作りに使う材木です。
 このほかにもまだまだたくさんあります。


 
 ここは刃物を研ぐ水場。たくさんの砥石がおいてあります。


 
 しごと場の出入り口。もともとは 父である北原久 が手作りし、後に進が
 手直しをしながら現在にいたっています。うちの工房は進が生まれた年に
 父が建てたもので、進と同じ46歳です。木曽は信州のなかでも春が
 やってくるのがおそい地域で、5月半ばくらいまで桜が咲いています。
 その季節になると、こんなふうに工房の中にも花びらが入ってきたりします。